2025年1月号(No. 650)バックナンバー

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新年のご挨拶(金融・保険部会)

金融・保険部会 部会長/理事
TOKIO MARINE INSURANCE SINGAPORE LTD
Managing Director

秦 浩之

新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと存じます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年はシンガポール建国60周年という節目の年でもあり、この60年間で大きな発展を遂げてきたシンガポールが更なる飛躍を遂げ、世界からもこれまで以上に注目される一年になると思います。

2024年を改めて振り返りますと、ローレンス・ウォン氏がシンガポールの新首相となり、日本では石破政権が誕生、アメリカではトランプ氏が大統領に返り咲き、日本やシンガポール、世界経済にとって重要なイベントがいくつもございました。

シンガポールにおいては、ローレンス・ウォン氏が副首相時代から「空港や港湾の能力を大幅に向上させる」と述べており、世界最大級となるチャンギ空港ターミナル5の工事がいよいよ開始されるといった明るいニュースも多く、その存在感をさらに高めていくこととなるでしょう。また、2050年までのCO2ネットゼロ達成に向けて、カーボンクレジット取引ハブとしての環境整備や水素・アンモニア関連の各種プロジェクト等、GXの取り組みもさらに加速していくものと思われます。

ローレンス・ウォン氏は2024年5月の首相就任に続き、同年12月に人民行動党書記長にも就任しました。故リー・クアンユー初代首相以来3世代にわたりアジアの貿易・金融のハブとして発展を遂げたシンガポールが、ウォン氏の下でどんな成長を描くのかを楽しみにしながら、私たち金融・保険部会としてもこの国の更なる発展に貢献できるよう日々取り組んでいければと思います。

また、2024年は長期化するロシア・ウクライナ戦争、紅海封鎖に伴うサプライチェーン再構築、周辺国への拡大を見せる中国・イスラエル情勢、世界的なエネルギー不足、気候変動により激甚化する自然災害等、世界各地で地政学的リスクに直面する1年でありました。皆様の日々の事業活動においても影響が生じることが多かったのではないでしょうか。

東南アジアにおいても、ベトナムやフィリピンを中心に大きな被害をもたらした台風「ヤギ」・「チャーミー」等、自然災害の激甚化は進んでおり、保険業界に身をおく者として、これまでのデータや常識が通用しない世界が既に始まっていると感じています。地政学的リスクのみならず、近年はサイバー攻撃の脅威も高まってきており、これまで蓄積されたデータに加えて、いかにして将来のリスクを予測していくかがますます重要になると思います。

昨年末、金融・保険部会では、2025年を見据えた企画として、シンガポールに拠点を置く邦銀三行の専門家の皆様をお招きし、「アジア経済の展望」をテーマにしたパネルディスカッションを開催いたしました。将来を見通すことはなかなか難しいなかで、アジア地域だけでなく、アメリカ大統領選挙結果を踏まえた経済動向にも触れていただき、ご参加された皆様にとって大変有意義なセミナーになったと思います。その他、皆様とご一緒させていただいたクルージング懇親会等も記憶に新しく、大変素晴らしい部会活動となりました。皆様には年間を通じて多大なご協力をいただきましたこと、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。

2025年は「巳年(みどし)」年です。「蛇(じゃ)の道は蛇(へび)」「脱皮して以て大蛇と成る」という言葉があるように、私たちの知恵と経験を共に生かしながら、更なる成長を目指して気持ちも新たに、2025年を明るい一年にしてまいりましょう。

シンガポール日本商工会議所

10 Shenton Way  #12-04/05 MAS Building  Singapore 079117
Tel : (65) 6221-0541 Fax : (65) 6225-6197
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