

2025年2月号(No. 651)バックナンバー
着任のご挨拶
シンガポール日本商工会議所の皆さま、この度運営担当理事を務めさせていただく事になりました、Toyota Motor Asia の柳澤でございます。村上の後任として、この重要な役職を拝命いたしました。まだご挨拶できていない皆さまも多いかと存じますが、本紙面をお借りして、まずは簡単に自己紹介と意気込みをお伝えさせていただきます。
私は2025年1月にシンガポールに赴任し、現在、アジア地域におけるアフターセールス業務に従事しています。これまで自動車業界において、品質および技術サポートを中心に、事業のバリューチェーンの各プロセスを担当し、地域に根ざした運営体制の強化に努めてまいりました。これらの経験を活かし、今後はシンガポールを拠点に、アジア全域でのアフターセールス業務の向上を目指していきます。
私は、過去にオーストラリアとヨーロッパでの業務経験があり、異なる地域での市場のニーズを把握し、柔軟に対応する力を培ってきました。その経験をシンガポールにおいても活かし、アジア各国でのサービス向上と、地域ごとの独自性を反映したアフターセールス体制の確立に貢献したいと考えています。
近年、自動車業界は大きな変革期を迎えています。電動化の進展に加え、自動運転技術やコネクテッドカーの発展が加速しており、モビリティの在り方が大きく変わろうとしています。各国の環境規制の強化により、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが求められ、EV(電気自動車)や水素燃料車などの普及が進んでいます。アジアにおいても、国によっては政策やインフラ整備の進展により今後EVシフトが想定されます。一方で、発展途上国では充電インフラの整備が課題となっており、バランスの取れた移行戦略が求められています。
また、デジタル技術の進化により、車両データを活用した新たなビジネスモデルが生まれつつあります。例えば、走行データをもとに予防保守を行うテレマティクスサービスや、遠隔診断を活用したメンテナンスの最適化が進められています。加えて、半導体不足や原材料価格の高騰といったサプライチェーンの課題も浮上し、メーカー各社はより柔軟な生産体制の構築を迫られています。
こうした業界の変化を受け、アフターセールス部門も進化が求められています。従来の修理やメンテナンスに加え、デジタル技術を活用した予防保守やリモート診断が重要性を増しています。コネクテッド技術による車両モニタリングやデータ分析を活かすことで、より迅速かつ効率的なサービス提供が可能になります。また、EVの普及に伴い、バッテリー管理や充電インフラとの連携も求められており、これらの変化に対応することが重要です。
また、顧客との関係も変化しつつあります。カーシェアリングやサブスクリプションサービスの拡大により、メーカーと顧客の接点が多様化しています。アフターセールスは単なる修理や部品供給にとどまらず、より快適で安心なカーライフを提供する役割へと進化しています。データを活用した個別対応の強化や、スムーズなサービス提供を通じて、長期的な顧客満足度向上を目指していきます。
これからも、アジアにおけるモビリティの未来に貢献できるようToyota Motor Asia の一員として、地域の特性に合わせた対応を進めてまいります。そして、シンガポール日本商工会議所の活動においても微力ながらお手伝いさせていただけることを楽しみにしております。
最後に、シンガポールにおける新しいチャレンジに対し、会員の皆さまや事務局の皆さまと共に歩んでいけることを楽しみにしております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
目次
<特集>
<着任のご挨拶>
<編集後記>