シンガポール日本商工会議所の会員の皆さま、新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。2025年の幕開けにあたり、会員の皆さまの日頃のご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。
改めて2024年を振り返りますと、貿易・運輸業界は世界経済の回復に伴い、アジア市場を中心に需要が回復し、中国やインド、東南アジアの貿易は堅調に推移しました。特にシンガポールは、東南アジアの物流拠点としての役割を強化し、国際貿易の要としての地位をさらに固めました。シンガポール港は引き続き、世界有数の貿易ハブとしてその存在感を示し、物流業界の中で重要な拠点となっております。 一方、世界的なサプライチェーンの混乱や環境規制強化といった課題は引き続き残り、企業はより柔軟で効率的な物流体制の構築が求められる一年でした。
2025年、シンガポールは独立60周年という節目の年を迎えるにあたり、「SG60」と銘打ったビジョンに基づき、1965年の建国以来貿易と物流の中心地として国際的な地位を築き上げた実績を振り返り、次世代に向けた持続可能な発展を見据えています。
運輸業界においてはブロックチェーン技術やAI、IoTを活用したスマート物流の導入が進む中、これらの新技術を積極的に導入し、物流の効率化を推進しています。ドローン等を活用した、より柔軟なサプライチェーンの構築を可能にし、効率化だけでない未来の物流モデルの構築が期待されるところです。
また2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、グリーン物流の推進に注力しており、港湾や物流施設において、低炭素化と効率化を進めるため、電動車両や水素輸送、再生可能エネルギーの導入が進んでいます。これについては貿易・運輸部会により継続的に行っているPSA Singapore Tuas港湾施設への視察会の場で、最新鋭の自動化技術や環境に配慮した運営を目の当たりにし、次世代に向けた発展を確信させられました。同時に日本の技術力が物流の効率化や環境対応に大きな可能性を持つことを実感し、PSA担当者様からは日本企業への期待の声も寄せられ、日本企業がシンガポールのさらなる発展に貢献できることを肌で感じられる絶好の機会となりました。
2025年シンガポールが地域の貿易・物流の中心地としてその役割の持続的発展に向け、新技術の更なる導入と環境配慮型物流の推進をさらに加速させる中、JCCIは日本企業の存在感を高め、会員の皆様方のシンガポールでの取組に貢献できるよう、視察やセミナー、ネットワーキング活動など、知識を共有する機会を積極的に提供してまいります。
最後になりますが、2025年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、また、皆さまとそのご家族の健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もJCCIの活動へのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。